似たもの同士
October 23, 2019似たもの同士
親子って、変なところが似る。
似てほしくないところだって。今日はそんなお話。
保育園年長さんのさやちゃんは、まるで私を小さくしたような女の子。
まず、声が低い。
小さなころの私も声が低かった。覚えてる、滑り台で遊んでいるとき私の叫ぶ声だけ
なんだかとっても低くって、他の子よりもすいぶん大人びた声だったことに気づいた瞬間。
若干ウチマタ。これも似ている。
年長さんは忙しいから、なんだかんだと行事がある。
その度に、
「今日は遠足があるから、8時半までには行かなくっちゃいけないの!早く!早く!」
と急き立てる7時45分。
我が家には「山本タイム」と「江口タイム」があって、なんでもかんでも早めに設定している山本タイム。いつもいつでもぎりぎりで、移動と移動の間にかかかる時間が設定されてない江口タイム(お心あたりの方、いつもすみません)
どちらかというと娘たちは山本タイムで動く性格だが、さやちゃんはすごい。山本タイムに輪をかけて時間にはうるさい。
保育園までは7,8分の距離。大丈夫だよー、って言っても遅れやしないかと心配で、そそくさと車に乗り込む。
車に乗っている間も「あーー、遅れるーーー」と低い声でささやく。
時間に関しては、早めに早めに。これ大事、いいこといいこと。ちょっと極端だけどこれは似ててよかったかな。だけど、これはよくありませんねえ。
心配性。
何週間も前から運動会が不安で不安でしょうがない。事あるごとに、
「あー運動会まであと何日?はー、心配だなあ、うまく走れるかなあ。うまく踊れるかなあ。
うまく覚えていられるかなあ」と、何日も前から緊張している。
わかる。気持ちは痛いほどに、わかる。
年長さんだから出場回数もすごく多いし覚えることもたくさん。失敗できないし失敗したくないから、余計に心配が募る。これも、わかる。
とくに心配なバルーン競技。みんなで大きな丸い布を持ち、それを空気で膨らませたり回ったりその中にはいったり、とにかく大変なのよ。最後にはかぶった布をとったら組体操のポーズで決めるんだけどそれがまた大変でねえ。。事細かく説明していて、さやちゃんは流れもきちんと把握してる。
組体操は何々ちゃんが下で、何々ちゃんが、上で、一番上の子は。。。と、全体の配役もばっちり
掴んでる。それがまた心配で心配で、誰かが登れなかったらとか失敗しないか落ちないか、不安でしょうがない。しかし細かいところまで、覚えてる。
ところでさやちゃんのお役はどこなのかな?
前日の雨もやんだ暑い秋の日。運動会はとにかく始まった。黄緑の帽子をかぶって笛の音に合わせて
手足をふってさやちゃんは登場した。
はじめに踊ったパプリカのダンス。
ふりは完璧。手足も目線も良い感じでのびのびしてる。あんなに心配していた人とは見違える
動きを見せている。
障害物競走。よーいどんの音にあせって一歩目の足がからまり、はじめのポールにつまづいて転んでしまった。気持ちの早まりがあだにでた。がんばれがんばれ。
親子競技。順番を待っている間ずっと
「ママ、絶対遅れないでよ」「ママが遅かったらどーしよー」「ママ失敗しないでよ」
と責められる。はいはいがんばるよ。似たもの同士のわたしも負けてない。前日から風船をお尻で割る練習、しといたもんね。涙
バルーン。音楽に合わせて、始まった始まった。
大きなカラフルなバルーンのはしっこを掴んで、みんなに合わせてやっている。さやちゃんが、小さく見える。
数々の見せ場を、うまく成功させていく。観客からも歓声があがり、ここまで仕上げた先生がたの努力も垣間見える。
みんながバルーンの中に隠れた、いよいよクライマックス!
バルーンがさーっと取り去られ、そこにはみんなが組体操でピラミッドになっている。
さやちゃんは、その横で、じゃーんって手で、ただ立ってるだけーー!!
そこだよねえ。そこ選ぶよねえ。妙な納得。母はさやちゃんの気持ちがわかる。だってわたしたち似てるから。失敗がいやだから。こわいから。はずかしいから。それで緊張しすぎてずっこけてしまう、あんまりよくないことだとわかっていても、どうしたって、似ている性格。だけどあんなに心配することないじゃん!と内心つっこむ母でしたが、その中でも失敗を乗り越えるさやちゃんの頑張りも見えた。
大仕事、おつかれさまでした!よくやりました。
心配性、一緒に克服していこうね。
責任感じる母でもありました。
もちろんいいところだってたくさん似てるんです。
それは、また今度。